お ま け の 苔 プ リ ン ス




 「泰継さん、その苔玉がお気に入りですよね」

 無表情で、ふにふにと苔の感触を楽しんでいる(らしい)泰継さん。
 「………」
 「どうしてそれがお気に入りなんですか?」
 「………どうしてだろうな」
 ちらっとこちらを見て、考え込んだ泰継さん。
 しばらくして、私のほっぺを指でつついた。
 「………違うな」

 何? 
 何が違うの?

 首を傾げて、また考え込んだ泰継さん。
 程なく、
 「………ああそうか」
 そう呟いたくせに、なぜかそれ以上は教えてくれない。
 「気になる。教えてください!!」
 尚も言い募ると、ぼそぼそと決まり悪そうに言い出した。

 「・んの・・・に・・、似ているからだろう・・・」
 「へ? 何?」
 「・・・花梨の乳の感触に似ているから・・・」
 「☆◎%&!! @!」


 王子様は………意外にも、こんなひとでした。

(おしまい)





ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。